“居付き”を取り去る
”居付く”とは、無駄な力が入っているために技に有効な動きができなくなっている状態です。
居付きを取り去るには、身体全体が程よく緊張しているのが良いと思います。
建築の言葉にテンセグリティモデルというものがあり、張力体(tensile:ワイヤー状のもの)と骨組みによって統合(integrate)されているものを指します。
これを人体に置き換えると、骨格と筋・靭帯の調和によってバランスが取れているといえます。
身体のどこか一部が極端に緩むと、その分の支えを他の部分で補わなくてはなりません。
また、どこかの筋肉や靭帯が固まっていて伸びなければ、そこを伸ばそうとすると痛みがでます。
このテンセグリティモデルを意識すれば、余計な力が抜け、角がとれて丸くなります。
またこれは、受け身の上達にも繋がります。
同側同体
いわゆる“ナンバ歩き”の動きです。
私の場合、股関節を開く半身(はんみ)の姿勢をとります。
これは、前方へ押し出す力を高めるための姿勢です。
また、私の指圧の先生は、股関節を閉じた半身(纏糸勁(てんしけい)という中国武術の姿勢)をとっていました。
おそらく、身体のまとまりを重視したのではないかと思います。
どちらでも、自分に合ったやり易い姿勢で良いと思います。
動きについて
左右に大きくブレる様な歩き方では、武術的にあまり有用ではありません。
極力おへそを進行方向に向けたまま移動するのが良いと思います。
また、前方に手や剣を突き出す場合は、切れ目なく前方への力が働く様に気を配りながら押し込んで行くのが良いと思います。
膝行
仙心会での膝行は、一般的な合気道とは若干異なるやり方になります。
これは、甲野善紀先生が提唱する方法で、腰をあまり開かず、膝をつかないで進行方向を向いたままスッスッと足を出す膝行です。
これを行うと、技の途中で力が途切れることなく、崩しを維持できるうえ、“浮き”の練習にもなります。
最初はつらい体勢かもしれませんが、次第に有用性が分かってくるものです。
(↓昔の動画です。0:15あたりに膝行があります。)