「術なき道は空論、道なき術は危険」
これは作家で歴史家の加来耕三さんの言葉です。
加来さん本人も合気道をはじめ、武術に造詣の深い方です。
加来さんご自身の体験から紡ぎ出された言葉として、とても良く表されていると思います。
武道について
武術の流名に「道」という言葉が用いられるようになったのは、柔道を創始した嘉納治五郎氏が「すべての武道は社会教育である」との提言に共感してのことだそうです。
柔道が一世を風靡したため、それにならった形で諸武道の方々が「道」の教育性を強調しました。
時代の流れの中で、次第に術が喪われて行き、教えられる指導者も減っていったようです。
術を磨くための形稽古は試合の結果に直結しないといった考え方からも合理的ではなかったのでしょう。
私の師である甲野善紀先生は『武道から武術へ(学研パブリッシング)』などの著書の中で、現代武道の問題点を鋭く指摘されています。
仙心会について
そんな中、私たちは自らを武術と称し、身体を通して技を追究することで、そこから学びを得ようと考えています。
諸武道の方々が、人の道を追究してそれを技に生かすとすれば、
私たちは身体を通して技を追究し、そこから普遍的な人生訓を見つけようと考えています。
目指すところは“人の可能性の追究“、それに変わりはないと思います。