“浮き”は、まず自分につくり、次に相手の中につくります。
ステップ1
立った状態で膝を持ち上げます。
片膝ずつだと簡単ですが、これを両膝同時に行います。
すると、当然身体が下がります。
エレベーターが下がる瞬間の様に、身体が浮き上がる感覚があれば成功です。
また、不安定に耐えられずつま先立ちになる人もいますが、足の裏はペタッと付けたままにするのが良いと思います。
下がりきった最後はコロンと転がっても良いですし、耐えられればそのまましゃがみ込んでも良いと思います。
身体が下がってくるときに、膝を曲げてお尻を下げるのと違いがはっきり分かるようになってくれば、出来ていると判断して良いと思います。
ちなみに、これは甲野善紀先生の「屏風座り」「人間鞠」からヒントを得ています。
ステップ2
相手の襟(えり)を掴んで、ステップ1と同じことをやります。
自分の身体が下がってきて、相手の襟を掴んでいられなくなったらそっと放してください。
気をつけなくてはならないのは、襟を引っ張ったり、ねじり込む様に握ったりしない事です。
これは、引っ張りによる居付きをなくすのと、自分の鎖骨を解放するために行なう手順です。
ステップ3
3番目になってようやく技らしくなります。
これまでは自分の中で“浮き”をつくっていましたが、ここからは相手の中に浮きをつくります。
先ほどのステップ2と同じことを行いますが、自分が下がって不安定になるギリギリのところで頑張ります。
そうすると、相手の身体が前にスッと動く瞬間があります。
相手が動き出したのを確認して、相手の襟を掴んだ手を親指方向にかえします。
こちらが先に動くと、それを察知されてしまいますが、相手が動き出した後では、相手は簡単に重心を取られるものです。
相手の胸骨あたりがスッと前に動くので、そこを見ていると良いと思います。
これを私たちは中丹田を通して崩しを掛けると呼んでいます。