オススメ図書

私(平田)がこれまで読んできて、参考になった、あるいはとてもエキサイティングだった思う書籍についてお伝えいたします。

 

1.「鬼の冠」津本陽

武術に出会って最初に読んだ本がこれです。

合気道の元となった大東流合気柔術を世に広めた偉人・武田惣角の歴史小説です。(物語中では名前を変えてあります)

小説なのでもちろん脚色もあるでしょうが、実際に語り継がれている伝説が元になっているようで、全く別の所でお弟子さんが語る中にも同じ様なエピソードがあって驚きます。

気合いで人を吹き飛ばしたとか、手ぬぐい一本でヤクザの人たちを制圧したとか、壁抜けの術を使ったとか…

ドラゴンボールを読むような感覚で読んでいただけると思います。

 

 

2.「黄金の天馬」津本陽

同じく、津本陽さんの歴史小説です。

合気道の開祖・植芝盛平が主人公で、先の武田惣角との関わりも紹介されています。

前半は体が弱かったり、就職しても長続きしなかったり、旅の途中で愛人を作ったり、親の死に目に帰るも寄り道したせいで間に合わなかったり、まあ散々なのですが、後半は色んな事が上手く回りだし武道の神様となるわけです。

これを読んでからは、例えば誰かがどうしようもない人間に見えても、いつかは武道の神様みたいな存在になるかも知れないから侮るべきではないな〜と気をつける様になりました。
(怒られそう…(~~;))

 

 

3.「剣の精神誌」甲野善紀

甲野先生は私の先生・森文雄師範の先生にあたる方です。

甲野先生の本の中では、この研究本が一番好きですね。

生と死が隣り合わせだった時代、剣術はどういう存在だったのか。

殺人術としての剣と、本来は殺人を犯したくない本能との葛藤や、仇討ちのような、一度出逢ったならば殺さなければならない「逆縁の出逢い」と、ならばこそ良き縁を大事にしようとする茶の湯に代表される「順縁の出逢い」など、独特な時代の価値観を読み解く視点がとても面白く感じました。

この本の核になっている〈無住心剣流〉にも、是非いつか出会ってみたいものです。

 

 

 

4.「甦る古伝武術の術理―井桁崩し–その誕生と展開」甲野善紀

この本に始まる〈合気ニュース出版〉の4冊は、甲野先生が悩みながら螺旋階段を登る様にゆっくりと着実に歩まれる姿が垣間見えてとても良いです。

なんと言うか、「先生も最初からスゴいわけじゃないし、簡単にやっている様に見えるけど、実はとてつもない数の失敗を土台としているから安定しているんだな!」と、非常に励みになります。

ちなみに、最初の方に森先生が受けをとられている写真が載っています。

 

 

5.「合気道人生」「合気道修行」塩田剛三

伝説の男、塩田剛三先生の自叙伝です。

人気漫画「刃牙」シリーズの登場人物のモデルにもなっていて、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

合気道との出会いに始まり、若かりし塩田少年が「なんだこのジイさん」と植芝先生に蹴りかかって行ったら、いつの間にか床にしたたか頭をぶつけていた、とか、稽古に夢中になり、眠っている兄弟子の腕を取って二教の練習をして迷惑がられたなど、色んなエピソードが軽快に語られていてとても面白いです。

戦時中の話など、「青年閑居して不善を為すと言いますが、これはまさに私のことで…」に始まる語りが最高に面白いです!

 

 

◆ ◆ ◆

今日はこの辺で。
またいつか、他のオススメ本も紹介したいと思います。

平田

 

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